2,000円前後のHDMIキャプチャはゲーム実況に使えるか。画質や遅延をレビュー。
外観
今回取り上げるのは、KINGONEというブランドのもので、2,000円前後で販売されている。パッケージは箱ではなく袋になっていて、キャプチャ本体と日本語マニュアル、USB延長ケーブルが入っている。
マニュアルによると、最大で4K解像度までの入力に対応し、フルHDでの取り込みに対応するという。
本体は金属製のようである。HDMIキャプチャは発熱があるため、放熱を考慮しているようだ。
セッティング
今回は、ゲーム実況に使えるかという観点で、映像ソースとしてNintendo Switchを使用した。
SwitchのHDMI出力をHDMIスプリッタ(分配器)に接続し、スプリッタの出力をそれぞれモニタとこの製品に接続して、この製品をPC(Mac mini M1 2020)に接続した。
この製品はUSB Video Class(UVC)に対応しているため、PCからは、Webカメラと同じようなデバイスとして認識される。デバイスドライバのインストールは不要だった。
この製品にはソフトウェアが付属しないので、今回は、動画の録画や配信に広く使われている、OBS Studioというソフトで取り込みを行えるか確認した。
OBS Studioを立ち上げ、「ソース」に「映像キャプチャデバイス」を追加し、デバイスからこの製品を表す「USB Video」を選択すると、Switchの映像が表示された。
遅延は?
HDMIキャプチャデバイスで避けて通れないのが、映像(と音声)の遅延である。
この製品にはパススルー出力がないため、前述の通り、スプリッタを使用してモニタに映した映像とOBS Studioで取り込んだ映像を並べてカメラで撮影し、遅延を測定した。
60fpsで撮影した映像を見比べたところ、OBS Studioの画面の方が7フレーム遅れていた。
1 ÷ 60 × 7 ≒ 0.116… 、つまり約0.12秒の遅延ということになる。
FPSなど、わずかな時間差が勝敗を左右するようなゲームでは無視できない遅延と言えるだろう。
そのようなゲームでの使用を考えているのなら、パススルー出力がある製品を選んだ方が、キャプチャとスプリッタを別々に用意するより結果的に安く済むかもしれない。
あまり時間にシビアではないゲームなら、コントローラの反応が少し遅い程度に感じられるだけで、プレイは可能だろう。
筆者は「電車でGO!! はしろう山手線」をプレイしてみたが、OBS Studioの画面でもほぼいつもどおりプレイできた。
発熱は?
この製品のような低価格のHDMIキャプチャは他にも多数販売されているが、中には発熱が酷く、実用に支障をきたすようなものもあるという。
しかし、この製品は1時間くらい連続で稼働させても、少し温かくなる程度だった。放熱は問題なさそうである。
ゲーム実況をライブ配信してみた
実際にこの製品を使って、Switchの映像を取り込みゲーム実況をライブ配信してみたのが次の動画である。
おわりに
パススルー出力がないことや、画質や遅延など、高価格な製品にはかなわない点もあるが、価格を考えれば十分だと思った。
動画
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