海外版SIMフリーiPhone5s/c(筆者は香港版A1530を使用)をドコモ回線で使用する場合の実験結果や注意点などをまとめた。
spモードは使用不可。moperaならLTEも使用可だがテザリングは不可
海外版SIMフリーiPhone5s/cではspモードでデータ通信を行うことができない。そのため、海外版SIMフリーiPhoneでデータ通信を行うためには、moperaを契約する必要がある。筆者はドコモで従来型の携帯電話で契約したSIM(=通話・SMSが利用できる)で、機種変更手続きはせず、nanoSIMカードへのサイズ変更手続きだけを行って、moperaも契約した。この場合、アンテナピクトが立ち、LTEも使用できた。しかし、テザリングは行えなかった。
ドコモに問い合わせたところ、「SIMフリーiPhoneはドコモが販売した端末ではないため、spモードは使用できない。また、iPhone5s/cはmoperaではテザリングは行えない。」とのことだった。
APNの設定にはPCとiPhone構成ユーティリティが必要
iPhoneでmoperaを使ってデータ通信をするためにはAPN(Access Point Name)の設定を行わなければならない。しかし、iPhone5s/cでは、iPhone4Sとは異なり、APNの設定が画面からできなくなってしまった。そのため、Appleが提供している「iPhone構成ユーティリティ」というソフトを使ってPCで構成プロファイルを作成し、iPhoneにインストールする必要がある。
iPhone構成ユーティリティによるAPN設定の詳細は、
http://support.apple.com/kb/HT4839?viewlocale=ja_JP
を参照のこと。
ドコモメールを使う
spモードメール改めドコモメール(~@docomo.ne.jpドメインのメール)は、2013年12月からspモードの端末だけでなく、PCなどからも利用可能になった。これにより、iPhoneでも標準のメールアプリでメールサーバーの設定を行えば、spモードで接続していなくてもドコモメールの送受信が可能だ。
ドコモメールの設定の詳細は、
https://www.nttdocomo.co.jp/service/docomo_cloud/docomo_mail/function/other/index.html
を参照のこと。
ドコモメールの新着メール通知機能を使う
iPhoneでドコモメールを使用する場合、プッシュ配信ではなく、15分~1時間間隔(iPhone側の設定による)でメールサーバーにアクセスして着信を確認することになる。しかし、ドコモではiPhoneユーザーに対して、ドコモメールに着信があるとSMSで着信を知らせる機能を提供している。ただし、この機能を有効にするためには、spモード接続のiPhoneからドコモのサイトにアクセスして設定を行う必要がある。そのため、ドコモのiPhoneユーザーから一時的に借りるなどして端末を用意しなければならない。一度設定を行ってしまえば、その後は海外版SIMフリーiPhoneでも問題なく新着メール着信通知を受け取ることができる。