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【動画あり】【検証】「Amazon整備済み品」のPCを買ってみた(前編)

コンピュータ

「Amazon整備済み品」とは?

Amazonでは中古PCも販売されているが、その中に「Amazon整備済み品」という商品カテゴリがある。

似た名前のものにAppleの「認定整備済製品」があるが、こちらはAppleが自社製品を自ら再整備して新品と同じ品質保証を付けて販売しているのに対して、「Amazon整備済み品」は、基準を満たしているとAmazonが認定した出品者が再整備をしてAmazonのサイトで販売しているものである。つまり、Amazon自身が整備をしたり品質検査をしているわけではない。

「Amazon整備済み品」の基準としては、

  • 商品から30cm離れて見たときに、使用感や表面的なキズ・損傷がほぼ確認できないこと
  • バッテリーを搭載している製品の場合、電池残量(※最大容量、つまり、充電能力のことを指していると思われる)が80%以上であること

などがあり、くわえて、180日間の返品保証期間があることも特徴となっている。

出品されているPCの一覧を見ると、ビジネス向け(法人向け)のモデルが多く、企業が大量導入し、その後、リプレースなどで放出したものであることは容易に想像できる。

デスクトップPCを見ると、最も安いもので13,800円(税込)となっている(2021年6月6日時点)。それらの商品のスペックを見ると

  • CPU:Core 2 Duo〜Core i3くらい
  • メモリ:4GBか8GB
  • ストレージ:HDD 500GB、SSD 128GBなど(元々の製品のままのものもあれば、換装されているものもある。また、注文時に選択できるようになっているものも多い)
  • ビデオ出力:アナログ、DVI、DisplayPortなど

ビデオ出力のところが特徴的で、最低価格帯のものではHDMIを搭載しているものはほぼなく、DVIかDisplayPortのどちらか、あるいはアナログのみであることが多い。これは、数年前のビジネス向けデスクトップPCがそのような仕様のものが多かったからだろう。

闇の部分

もう一つ特徴的なのが、「Microsoft Office 2019付き」であることを謳う商品が多いことである。

しかし、1万円台で販売されているような商品に正規のMicrosoft Office(永続版)を添付できるとは考えにくく、ネット上の情報を見ると「正規ライセンス品ではないものがインストールされており、使用開始後しばらくしてからライセンス認証が解除されて使えなくなった」などといった声も聞かれる。

ここは「Amazon整備済み品」の闇の部分とも言える。

買ってみた

そこで、試しにデスクトップPCとしてこの時最安の13,800円(税込)で売られていた「Amazon整備済み品」の商品を買ってみた。

今回筆者が注文したのは、次の商品である。

Amazonで販売されているこの種の再生PCはwajun(ワジュン)の物が多いが、今回はより情報の少ない別の業者の商品を選んでみた。

機種は?

まず、今回注文した商品の場合、正確な機種名が不明である。「HP デスクトップ 6300/8300」という記載と、掲載されている写真などをもとに、HPの公式の仕様情報から近いものを探すと、HP Compaq Pro 6300 SFのモデル「i3-3220/4.0/500m/8D7」(D0Q89PA#ABJ)のようである※1が、内容が一致しない点もある。これは、現物が届いてから確認してみるしかない。いずれにせよ、2013年頃の製品のようである。

※1 Amazonでの商品名表記は「【Amazon.co.jp 限定】HP デスクトップPC 6300/8300/MS Office 2019/Win 10/Core i3-3220/HDMI/DVD/WIFI/4GB/ (整備済み品) (HDD 500GB)」となっている。

Microsoft Office 2019インストール済み?

そして、引っかかるのが「Microsoft Office 2019インストール済み」となっていること。上述の通り、この値段で正規のMicrosoft Office 2019が付いてくるとは思えない。

正規品のMicrosoft Officeがプリインストールされている場合、製品名の記載は「Microsoft Office Personal 2019」とか、「Microsoft Office Home and Business 2019」というような表記になる(今回の場合、PowerPointが含まれていると謳っているので「Personal」ではなく、「Home and Business」になる)はずだが、この商品では単に「Microsoft Office 2019」となっている。これは先述のwajunなど他の出品者の商品でも同様である。

無線LAN搭載?

さらに、細かいことを言えば、「無線LAN搭載」となっているが、この機種には無線LANは内蔵されていないはずである。Amazon整備済み品のPCでは、USBの外付け無線LANアダプタが添付されて販売されている例もあるが、今回は特に記載がない。

その他のスペックは次のようになっている。

  • CPU:Core i3-3220 3.3GHz
  • メモリ:4GB
  • ストレージ:HDD 500GB
  • ビデオ出力:アナログ、DisplayPort(ポート数の記載はないが、2画面同時出力可能とのこと)
  • OS:Windows 10 64bit版(MARライセンス。エディション不明)
  • ウィルス対策ソフト:ZEROウイルスセキュリティ
  • インターフェース:USB 3.0
  • 光学ドライブ:DVDマルチ
  • 付属品:DisplayPortからHDMIへの変換ケーブル、電源ケーブル

ちなみに、筆者はWindows 10 ProとExcel 2016のリテール版(特定のPCに紐付かない)ライセンスを持っているので、仮に今回購入したPCのライセンスが不正だった場合は、手持ちのものをインストールし直す予定である。ハードウェアだけでも、いわゆる「ジャンク品」ではなく、かつ、返品保証があって13,800円なら安いのではないかと思う。

2021年6月6日に注文し、翌7日に発送通知が来た。商品が届いたのは、8日であった。

届いた現物を確認する

佐川急便で届いた商品は、エアキャップで梱包され、製品の元々の箱ではなく、一般の段ボールで届いた。

中身は、本体、電源ケーブル、DisplayPortからHDMIへの変換ケーブル1本、USBの無線LANアダプタ、ZEROウイルスセキュリティのライセンスカード、であった。

届いた本体がこれである。

届いたデスクトップPCの本体。

外観は、はっきり分かる傷、塗装剥げ、へこみがあり、「商品から30cm離れて見たときに、使用感や表面的なキズ・損傷がほぼ確認できない」は満たしていないと思う。

30cm離れてもはっきり傷が見える。

端子類では、唯一、PS/2端子(キーボード用の紫の方)が少し欠けていたが、接続には問題なかった。

2つあるPS/2ポートのうち、紫(キーボード用)の一部が欠けている。

内部を見てみると、中古PCにありがちな、「マザーボード表面が埃で真っ白」ということもなく、よく清掃されている感じではあった。一方で、筆者が手で取れるような埃も残っていたので、プロの仕事にしては今ひとつ、といったところか。

電源を入れてみる

本体と手持ちのディスプレイ、キーボード、マウス、LANケーブルを接続し、電源を入れてみる。異音がする、などということもなく、正常に起動した。

答え合わせ

現物の確認により、今回の商品は以下のものであることが分かった。

  • メーカー:HP
  • 機種:HP Compaq Pro 6300 SFF(SKU:QV985AV)
  • CPU:Core i3-3220 3.3GHz
  • メモリ:4GB(2GB×2)
  • ストレージ:HDD 500GB
  • GPU:Intel HD Graphics 4000(CPUに内蔵)
  • ビデオ出力:アナログ×1、DisplayPort×1
  • OS:Windows 10 Home 64bit(MARライセンス)
  • Officeソフト:Microsoft Office Professional Plus 2019
  • ウィルス対策ソフト:ZEROウイルスセキュリティ
  • ネットワーク:有線LAN×1、無線LAN(USB外付け、2.4GHz帯のみ)
  • インターフェース:USB 3.0×4(背面)、USB 2.0×6(前面4、背面2)、PS/2×2、シリアル(9ピン)×1、パラレル(25ピン)×1(PCIスロット穴に設置)
  • 光学ドライブ:DVD-ROM(DVDマルチ)
  • 付属品:電源ケーブル、DisplayPortからHDMIへの変換ケーブル1本、USBの無線LANアダプタ、ZEROウイルスセキュリティのライセンスカード

結局、モデルや製品番号は特定できなかった。上述のD0Q89PA#ABJと比べると違いは、

  • メモリが2GB×2
  • 光学ドライブがスーパーマルチ(書き込み機能あり)ではなく、DVD-ROM(DVDマルチ)
  • ビデオがIntel HD Graphics 4000
  • パラレルポートが付いている
  • Microsoft Officeが入っている

であった。購入後に光学ドライブをわざわざグレードダウンすることは考えにくいので、下位モデルである「i3-3220/2.0/500d/8D7」(D0Q86PA#ABJ。メモリが2GB×1で、光学ドライブがDVD-ROMドライブ)にメモリをもう2GB増設した個体なのかもしれない。

さらに細部を見ると、BIOSのバージョンが2.83となっており、2015年のバージョンのようである。このころに出荷された個体であると推測できる。一方で、HDDはやけにきれいなWD社のものが搭載されており、製造日は2016年の日付となっていた。購入後にユーザー側で(故障などの理由で)交換されたものなのかもしれない。

2021.7.8追記 こちらの2ページ目に記載のある、HP Compaq Pro 6300 SF/CTのモデル「i3-3220」とほぼ同じスペックだが、グラフィックス(Intel HD Graphics 2500)が異なる。

Windowsは正規品

Windows 10はHomeの64bit版で、本体にはMAR(Microsoft Authorized Refurbisher)のシールも貼られていた。株式会社アンカーネットワークサービスのシールも貼られていた。同社はマイクロソフト認定再生PC事業者なので、Windowsは正規品と考えてよさそうだ。

Officeはやっぱり…

問題のMicrosoft Officeであるが、「Professional Plus 2019」であった。「Plus」と付くのは企業向けのボリュームライセンスであり、個人向けに販売しているPCに入っているのはおかしい。この点はやはり予想通りであった。

「Microsoft Office Professional Plus 2019」となっている。

無線LANは外付けアダプタ添付

これも事前に予想できたが、無線LANは、やはりUSB外付けのアダプタが添付されていた。接続すればドライバのインストールなしですぐに使えるのはありがたいが、2.4GHz帯にしか対応していないようである。製品には「802.11N」という刻印があった。

添付されていたUSB接続の無線LANアダプタ。メーカー・型番等は不明。USB端子が黒色だったので、USB3.0ではないと思われる。

今後の展開

ちゃんと動くPCであることは分かったので、「買ってみた」はここまでにして、続いてはこのPCのパワーアップをしていきたい。パワーアップ内容としては、

  • ストレージをHDDからSSDに変更
  • メモリを増設
  • CPUをマザーボードが対応する一番上のものに変更
  • グラフィックボードを増設
  • 光学ドライブを変更

といったところか。後編(近日公開予定)に続く。

動画

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